校長先生のブログ

思いっきり褒めたこと

先日、地域の方から電話をいただきました。地域の方からの電話と聞くと、交通マナー等の苦情かと思ってしまうのですが、違いました。「知徳高校の生徒が、倒れている人を助けていました。素晴らしい行動です。」という内容です。うれしかったです。該当する生徒を探したところ、1年生3人の行動だったことが分かりました。その3人から人助けをした時の様子を聞きました。
3人は、帰宅途中に道路の反対側で、突然人が倒れたところを目撃したそうです。3人は倒れた方の安全を確保し、転倒してできた傷の手当てをして、周囲の人に協力してもらい、その方の自宅に連絡し、家族に引き渡したということでした。私は3人の生徒に聞きました。「真っ先に行動することに躊躇しなかった?」。3人の生徒は、「倒れた人を何とかしなければという思いだけで、反射的に動きました。」と話してくれました。特別なことをしたという気持ちもなかったようです。もしも、自分の近くで人が倒れた時、自分は救助に向かう最初の一人になれるだろうか、と考えました。今回の3人の生徒の行動、本人たちは、たいしたことではないと思っているようですが、素晴らしい行動です。思いっきり褒めました。

「人の役に立った」、「多くの人から感謝された」という経験は、その人の自己有用感、自己肯定感を高めるそうです。日本の若者の自己有用感については、2022年に日本財団が、日本・アメリカ・イギリス・中国・韓国・インドの6か国の18歳を対象に行った調査の結果が参考になります。日本は、「自分は他人から必要とされている」と答えた割合が52.7%で、6か国中最も低い結果でした。また、「国や社会に役立つことをしたいと思う」と答えた割合も日本が最低でした。ボランティア活動もそうですが、若者が社会に貢献した行動に対しては、周りの大人がその行動を認めて褒めることが大切です。そのことが若者の自己肯定感を高め、ひいてはウェルビーイングな社会づくりに資するのではないかと思います。

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