6月19日に、大正大学地域創生学部社会共生学部の浦崎太郎教授にお越しいただき、情報ビジネス科の生徒への講座、次いで教職員対象の研修講師をしていただきました。浦崎先生は探究や地域と連携した学びを研究・実践されている方です。私がよく使う「自走する学び」や「夢中は努力に勝る」というフレーズは、浦崎先生から教えていただいたものです。
情報ビジネス科の授業「課題研究」は、長泉町産業振興課、内閣府等と連携した取組で、RESAS(リーサス:地域経済分析システム)を活用した社会課題の解決に取り組んでいます。RESASは、地域経済に関する様々なビッグデータ(産業の状況、人口動態など)を、地図やグラフで分かりやすくしたシステムです。膨大なデータから、課題解決に必要なデータをうまく選別し活用していく力が必要ですが、データ分析に入るその前に、どのような課題を解決したいのか、だれがどんなことを困っているのか把握するなど、何に取り組むのか、「どのような課題を設定するのか」が最大の課題です。
学校での学習には、宿題のように教師から指示される学習が多くあります。宿題が悪いわけではないのですが、生徒はこのような学習には基本的に受け身で、与えられたもの以上に取り組むことはあまりありません。しかし、生徒自身が面白い、やりたいと思ったことに対しては、生徒は自ら取り組むのです。まさに自走するのです。探究はそのような学びであるべきだと思います。私もこれまで探究に取り組み自走する生徒を何人も見てきました。ただ、生徒が「自分ごと」にできる課題と出会うためには、教師の創意工夫や熱量が必要だとも感じています。浦崎先生は「1歩を踏み出せる生徒は、2歩目3歩目を自ら踏み出すが、1歩目が出ない生徒は、2歩目は出すことができない」とおっしゃいます。生徒が1歩目を踏み出せるよう教員も工夫しなければなりません。
探究は、地域社会などの多様な人と接し、社会を生き抜いていくスキルを身に付ける学びでもあると思います。知徳の探究をさらに進めていきたいと思っています。写真は浦崎先生の講座の時のものです。生徒も一生懸命に考えていました。